▲PAGE TOP

ERPシステムの導入


■ERPシステムの導入について説明します。

■ERPシステムを導入する場合について考えないといけないことは何でしょうか?


ERPシステム導入で最初に考えること


■ERPシステムを導入する場合、最初に考えることは、何でしょうか?

それはERPシステムのキーコードの構成と繋がりです

ERP(Enterprize Resource Plannning:通称イーアールピー)というシステムが、いろいろな企業で導入されています。

ERPとは、日本語では「業務統合パッケージ」と呼ばれ、企業に必要ないろいろな機能、会計、販売、出荷、資材購買、生産管理などが統合されたシステムです。

皆さんが、ERPパッケージの導入を検討する場合、何を最初に調べますか?

どんな機能があるか?
値段は?
サポート体制は?
帳票類は?

などですか。

皆さんが、最初に調べないといけないこと、
それは、キーコードの構成、繋がりです。

例をあげて説明します。

皆さんの会社が、海外工場と日本の工場を持っていたとします。
販売も海外と日本でおこなっていたとします。

このときの必要なキーコードは、何でしょうか?

工場のコードですね。

販売を海外と日本で行う場合は、何でしょうか?

注文を国別に区分するコードが必要です。
ドル、円、ユーロなどの為替の取り扱いや為替レートの変換が必要です。

これらのキーコードの体系とそのキーコードの繋がりは、ERPの業者に提出してもらう必要があります。
それらのコード体系が、皆さんの会社の業務に適用出来るか検討する必要があります。

これが十分出来ていないと、導入はしたが、こんなはずではなかったということになります。


ERPシステムの良し悪しの見分け方


上で、ERPシステムの「キーコード」の重要性について説明しました。

■次は、ERPシステムの良し悪しの見分け方です。

■現在ERPシステムは、ピンからキリまで、非常にたくさんあります。
その中で、自社に合ったERPシステムを選択するのは至難のわざです。

■そのERPシステムを選択する方法のひとつがマスターデータにあります。

マスターデータを見るとそのシステムのレベルがわかります。
レベルとは、システムがカバーする範囲です。

ERPシステムを導入する場合、まずマスターデータを調べる必要があります。

ほとんどのERPシステムは、最初にマスターデータの設定が必要です。
マスターデータとは、日本語では、基本情報、製品情報、顧客情報などXX情報と呼ばれています。
マスターデータの設定後、実際の作業をシステムに入力します。

例えば、販売管理で注文を入力する場合、必要なERPシステムのマスターデータは何でしょうか?

  • まず、顧客情報が必要です。
  • 製品情報も必要です
  • 消費税の情報
  • 製品別、顧客別の販売価格の情報
などが必要です。

これらのマスターデータの設定後、注文をシステムに入力することができます。

では、マスターデータの中で一番、重要なデータは、何でしょうか?

それは、製品情報です。

製品情報は、販売管理、出荷管理、在庫管理、生産管理、品質管理などほとんどの機能(システム)で使用されます。

この製品情報の構成を調査する必要があります。

一般的なERPシステムの製品情報の構成は、

  • 商品の情報
    コード名、名称、規格、品質情報
  • 在庫情報
    在庫管理に必要な情報。入出庫数量、 最小在庫
  • 資材購買情報
    業者情報、発注数、リードタイム、仕入価格
  • 価格
    仕入れ価格、入出庫価格、原価、売上単価
などです。
通常はここまでで十分です。
しかし、工場、販売が複数存在したり、海外にもある場合は追加の情報が必要です。

大手のERPシステムのパッケージは上記に加えて

  • 製品付加情報
    受注、出荷数量など
  • 分類情報
    他のシステムとの連携、レポートの分類などに使用されます。
  • 組織情報(売上)
    為替情報、組織情報 消費税など
  • 輸出情報
    輸出承認書、輸出規制など
  • 輸入情報
  • MRP 
    部品展開などの情報。実際に製品別の部品情報は別に入力する場合が多い。
  • 保管情報
    在庫情報とほぼ同じです。
などがあります。

会社でERPシステムを導入する場合、
まず、ERPシステムでカバーする範囲を決めます。
次に、導入するERPシステムの商品情報を調査します。

それにより、どの業者のERPシステムが自社にあっているのか判断することができます。


作業マニュアルの必要性(ERPシステム導入時)


■次に、作業マニュアル(ERPシステムの説明書)についてお話をしたいと思います。

ERPシステムを導入する場合、大事なことは、ERPシステムを導入する会社のための作業マニュアルを作ることです。

確かに、ERPシステムを開発した業者の方は、膨大な説明書を持ってきます。
取り扱い説明書や帳票の説明書です。
画面の説明、出力される帳票の内容です。

しかし、実際に作業する人がみてもよく分かりません。
自分たちの作業の中でどのように使用するのか想像できないのです。

これらの取り扱い説明書は、実際、仕様を作ったり、プログラムを作っている人が書いています。
それぞれの項目については、説明があります。

でも画面のつながりや、作業との関係がよくわからないのです。

ひとつの例ですが、

製品情報のマスターの入力をおこないます。

製品情報の画面の取り扱い説明書を見て製品情報のデータをセットアップします。
現在使用している他の製品のデータを参考にしながらまったく同じようにセットアップします。

しかし、その製品は動かないのです。

何が問題なのかわかりません。
マスターのどの項目が他のどこの画面に影響しているのかよくわからないのです。
説明する業者の人もよくわかっていない場合もあります。

ERPの会社の人が意地悪をしているように感じます。

そのため、現在使用している、正しいマスターデータをコピーして必要な所のみ修正して使っています。

■これは、問題です。

ワードとかエクセルなどのマイクロソフトオフィスのソフトをお店で買ったことがありますか?

箱の中に、使い方の小冊子がついていますね。
読んだことがありますか?

読んでも全然わからないですね。

結局、書店に行って、「よくわかるワード」とか「よくわかるエクセル」などを買って勉強します。

それと同じです。

■では、どうしたらよいのでしょうか?

ERPの導入する場合、
まずその部署の作業をよく知っている人をERP導入担当にします。
次に、実際にERPの画面を使ってもらい実際の作業を経験してもらいます。
そして、その人に作業マニュアルを作成してもらいます。

作業マニュアルは、

  • 作業フロー
  • 使用する帳票
  • 担当する人
  • 使用する画面
  • 画面の入力方法
  • 他の画面への影響
  • エラーの対処方法
などが含まれた作業フローを作成します。
作業標準書ですね。

その方が、結局早道になりますし、作業する人がシステムを覚えることができます。
その人が部署のリーダーになり次の人のトレーニングをおこないます。

私が知っている会社は、配送センターにERPの出荷管理を導入しました。
もともと、作業標準書がありましたので、その作業標準書を全部新しい、ERPのシステムを使ったものに変更しました。

ERPがスタートしたとき、その配送センターのみトラブルが一番少なく、出荷作業を継続できました。
お客様にもほとんど迷惑をかけませんでした。

■作業マニュアルを作りましょう。


レポート作成担当を作る(ERPシステム導入後)


■今回は、ERPなどのシステムを導入したあとに必要なことについてお話したいと思います。

ERPなどのシステムを導入するときは、システムが順調に稼動することだけに皆さん、注目しています。
作業が問題なく行えれば満足でした。

しかし、システム導入の目的は違います。
会社の売上げや利益を上げ、経費を下げることです。

そこで、システム導入した後のために考えておくことがあります。

それは、ユーザーの中に、帳票などレポートなどを作成できる人材を育成しておくことです。

システム導入後に一番必要になるのは、データ、レポートです。

システム導入後、時が経てば問題も減り順調に稼動するようになります。
作業する人もだんだんシステムに慣れていきます。

「さあ、これから売上げや利益を上げるぞ!!」
と経営者の方は、社員に号令をかけます。

でも、どうしたら良いかという対策がわかりません。
現在、会社の状況がどのようになっているのかわかりません。

何故でしょうか?

分析するデータ、レポートが無いのです。

例えば、売上げデータがあったとします。

全体の売上げや製品別の売上げは、一般的に標準レポートとしてシステムに準備されています。

しかし、これから、どの商品やどの地域を中心に対策を打たなければいけないのか、標準レポートでは不十分です。

  • どの製品が過去から売上げが上がっているのか?
  • いつ売上げが悪いのか?
  • いつ売上げが良いのか?
  • どの地域が売上げが悪いか?
  • どの地域が売上げが良いのか?
など
いろいろな切り口で売上げを分析して売上げ減少の原因を把握する必要があります。
そして、今後の対策を決める必要があります。

これらの分析するレポートを作成する人材をシステム導入時から育てておく必要があります。

では、どのような知識が必要でしょうか?

  • まず業務をよく知っていることです。
  • 次に業務の項目がシステムのどのデータに対応しているのか理解することです。
  • 最後にシステムからデータを抽出できることができることです。

出来れば、業務に従事している人にレポート作成の知識を習得して貰った方が良いです。

データの抽出については、大手メーカーでは、「データ加工専用ソフト」があります。
しかし、マイクロソフトのアクセスで十分です。

確かに、前者のデータ加工専用ソフトの方が誰でも簡単にデータの抽出ができます。
しかし、データの結合など複雑なレポートは、難しいです。
ライセンス料金も高いです。

マイクロソフトアクセスは、習得するのに時間がかかりますが応用ができます。
また2万円程度で安いです。
ユーザーの要求に対応ができます。
絶対に、こちらがお勧めです。

■システム導入するときにはレポート作成する人を作りましょう。


テストケース(ユーザーテスト)


■今回は、システムを導入する場合のユーザーテスト、正式にはユーザーアクセプタンステスト及び、そのとき使用するテストケースについてお話したいと思います

システムを導入するときにはテストをおこないます。

テストには大きく2つあります。
  • 1つは、システムテストです。
  • 2つめは、ユーザーによるテストです。
    ユーザーアクセプタンステストとも言います。

■システムテストとは、
システムを開発した業者が仕様書どおりシステムが動くことを確認するテストです。

システムテストが終わってシステムがユーザーへ渡されます。

■ユーザーアクセプタンステストとは、
ユーザーが本来の目的を満足しているのか確認するテストです。

ここで問題が発見できなければ、システムがリリースされてオペレーションスタートになります。

スタートして問題が発生して使えないシステムになってもシステム開発の費用を払わないといけなく
なります。

■このユーザーアクセプタンステストは最終的なユーザーによる検査ですから非常に重要です。

以前、私が有名なS社のERPを導入に参加したときはユーザーアクセプタンステストで、2000件も
バグが見つかったことがあります。

システムテストは終わっていてもです。
皆、びっくりしていました。
でも、数日でバグの修正は終わりましたが。

このユーザーアクセプタンステストに使用するのがユーザーが作成するテストケースと呼ばれるものです。

つまりテスト項目ですね。チェックリストです。

テストケースの作成は重要です。

■このテストケースを作成する目的は、大きく2つあります。
  • 1つめは、システムが動くことを確認することです。
    テストケースに従ってシステムをチェックします。
    テストケースに満足しないとシステムをリリースをしません。
    システム開発費用も払いません。
     
  • 2つめは、このテストケースを多くのユーザーがチェックすることにより新しく導入するシステムを理解することができます。
    トレーニングになります。

このテストケースの作成に力を入れることによりERPの導入時後の問題の発生を減らすことができます。

これは、数値で表せるので客観的です。
100件のテストケースで今週は、50件終わったとか把握できます。
経営者の方も内容が分からなくても現状が把握できます。

■ではテストケースとは、どういうものでしょうか?

■例えば、生産管理を例にします。

一般的な生産管理システムは、まず
  1. 注文と在庫を生産管理システムへ取り込みます。
  2. 生産計画を立てるために注文から在庫をさし引きます。
  3. 部品展開します。
などのステップで行います。

この、1番について考えます。

1、「注文を生産管理へ取り込みます。」

このテストケースを作成するときは

テストケース1 注文データのチェック
やり方
  1. 販売管理の注文データを把握します。
  2. 生産管理システムから注文データを把握します。
  3. 両方のデータを比較します。
  4. データが異なっていれば原因を調査します。
結果
  1. 問題はない
  2. 問題あり
    どんな問題か記入します。
    システム業者へ連絡します。
チェックした人/時間
  1. Aさんが7月19日の10時にチェックした。


このとき、重要なことがあります。
このテストケースをチェックできるレポートを作成しておくことです。

注文データをチェックするにしても販売管理からと生産管理からの両方のデータが必要になります。

テストケースを作りましょう。



ERPシステムの導入で失敗する原因


以前は、ERP導入での成功率は、20%くらいだと言われていました。
最近では、60%を超えたと言われています。
でも、期待以上に満足している企業は、依然、20%程度のようです。
なぜ、ERPの導入で失敗するのでしょうか?


ERP導入に失敗する原因についてです。

■不成功の状態

不成功の状態としては、
  1. 財務管理などERPパッケージの一部の機能だけ導入したため情報の一元化による業務のスピードアップができない。
    またパッケージと既存ソフト間の情報交換のためのインターフェイスプログラムの開発費用がかさむ。 
     
  2. 自社の業務をパッケージソフトに合わせられず元のソフトに戻した。
     
  3. パッケージソフトを自社の業務に合わせたために情報の一元化ができない。
     
  4. またソフトのカスタマイズや追加開発が多くなり、開発費用と期間が独自開発の場合と同等かそれ以上にかかる。
     
  5. 導入をおこなうが、データの入力をきちんとおこなっていないためにデータが使用できなくなりシステム自体を使用しなくなる。
などです。

■原因

考えられる原因としては、
  1. ERPを導入する目的・方針が不明確
    ERP導入がビジネスプロセスの再構築なのかERPシステム開発費用の削減なのかはっきりしない。
     
  2. ERPを導入して目指すビジネスプロセスの姿が描けない
    ビジネスプロセス再構築の方針はあっても新しいプロセスの設計図を具体的に描けない。
     
  3. ERP導入に現場が抵抗する
    新しいプロセスに変えるときに技術的困難が伴う。
    例えば、生産リードタイムの短縮やロットサイズを小さくしたりしなけ ればいけないとき。
などがあります。


●「ERPとは」の関連ページです。


[↑一番上へ]
[実務に役立つ生産管理(ホームへ)]
09:141102