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ライン生産方式(連続生産)


「ライン生産方式」について説明します。


ライン生産方式とは


ライン生産方式とは、流れ作業方式とも呼ばれ、コンベア上で部品を組み付けていく方式です。連続生産とも呼ばれています。

JIS Z 8141の「生産管理用語」には「ライン生産方式」は以下のように定義されています。

「ライン生産方式とは、生産ライン上の各作業ステーションに作業を割り付けておき、品物がラインを移動するにつれて加工が進んでいく方式。」

です。

備考として、
  • 備考1
    流れ作業ともいう。
  • 備考2.
    すべての品物の移動と加工が同期して繰り返されるライン生産方式をタクト生産方式という。

です。

特定の製品の生産のために、専用ラインを設置し、連続的に繰り返し生産する方式です。


ライン生産方式の特徴


「ライン生産方式」には次のような特徴があります。

  1. 「流れ作業」でおこなわれます。
    最近では自動化されていることが多いですね。

  2. 「分業化」が進んでいます。
    工程が分割されて「専門化」されています。

  3. 各工程の機械は「加工順序」に配置されています。
    工程間隔も近くなっています。

  4. 各工程が一定速度で加工されています。
    加工品は、規則正しく次の工程へ移動しています。

  5. 生産効率が「ロット生産」や「個別生産」より高くなっています。
    自動化されています。

  6. 「ライン生産方式」は、「生産統制」よりも、「工程設計」や「生産計画」が重要です。
    効率的な「生産ライン」を編成、構築することが重要です。

  7. 「生産能力」を有効に使用するために、「生産計画」の作成が重要になります。

です。


ライン生産方式が向いている製品


どういう製品が「ライン生産方式」に向いているか説明します。

  1. 需要量(受注)が多い製品
    専用ラインを設置しても、経済的に引き合うだけの需要量(受注)がある場合です。

  2. 段取り替えが不要な製品
    原則として、異なった製品を同一生産ラインで生産しても段取り替えが不要な場合です。

  3. 同一の加工手順を取る製品

  4. 完成在庫を持てる製品
    市場の需要(受注)に変動がある場合、完成在庫を持つことが必要になります。


などです。


ライン生産方式のメリット


「ライン生産方式」のメリットです。

  1. コスト(価格)が下がります
    生産効率が上がりますので、製造コストが下がります。

  2. 機械化や自動化をおこないやすい
    同じ製品を同じ工程で同じ方法でおこないますので、機械化や自動化をおこない易いです。

  3. 作業する人が少ない
    自動化されると、作業する人が少なくなりますので、作業者の雇用、教育などが少なくなります。

などです。
次に「ライン生産方式」の「デメリット」について説明します。

ライン生産方式のデメリット


「ライン生産方式」のデメリットです。

  1. 多品種少量生産は、難しい。
    工程の異なる製品が多い場合や、製品の受注数量が少ない場合はライン生産は向いていません。
  2. 工程計画と作業編成が必要
    ライン生産方式は、生産予測(需要予測)をもとに専用ラインが設置されます。
    専用ラインの設置には、工程間の能力がバランスする工程計画および作業編成が必要になります。

  3. 生産する製品の急激な変更への対応は難しい
    長期の製品計画、生産能力計画をもとに生産計画を決定します。
    製品や数量の変更など生産計画の変更がある場合は、対応が難しくなります。
    在庫などを持つ必要があります。

  4. 完成品在庫が必要
    市場の需要(受注)変動に対しては、完成品在庫を持つことや、生産速度を変更することによって対応します。

  5. 不良品が出た場合、影響が大きい
    工程の一部で不良品が出ると、工程に問題がある場合、全部の製品に影響が出る場合があります。
    最悪、全部の商品が出荷出来なくなります。


などです。


単一製品ライン生産方式の作成方法


「単一製品ライン生産方式」の設計・作成する方法について説明します。

単一製品ライン生産方式とは


一番単純なライン生産方式は、「単一製品ライン生産方式」です。
特定の単一製品を連続で生産する方式です。

単一製品ライン生産方式の設計のやり方


「単一製品ライン生産方式」を設計するときの方法です。
手順について概要を説明します。

  1. ピッチ・タイムの決定
    製品が、ラインから作り出される時間間隔(ピッチ・タイム)を決定します。

  2. 最小作業工程数の決定
    製品の1単位を作るための最初から最後までの作業時間を決めます。
    総作業時間です。
    総作業時間をピッチ・タイムで割って、工程数を決めます。

  3. 作業編成
    作業編成は、ラインバランシングとも呼んでいます。
    工程別に、各作業工程での作業時間が均等になるように作業を割り付けます。

  4. 作業工程間在庫または作業域の決定
    実際に作業には、バラツキが発生します。
    そのため、それぞれの作業工程間には、緩衝(バッファ)が必要になります。
    仕掛品在庫や作業域のゆとりなどの設定が必要になります。

  5. ラインの改善
    各作業工程のバランスの状態を図表で表したものを「ラインバランス表」や「ピッチ・ダイヤグラム表」などと呼んでいます。
    これらの表を使ってラインを改善してゆきます。

「ロット生産方式」「個別生産方式」は次のページをご覧ください。




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