ロット生産方式(バッチ生産)
「ロット生産方式」について説明します。
ロット生産方式とは
ロット生産方式とは、多くの製品(品種)について、顧客からの受注を、ある数量のかたまり(ロット)にまとめ、生産する方式です。バッチ生産方式とも呼んでいます。
JIS Z 8141の「生産管理用語」には「ロット生産」は以下のように定義されています。
ロット生産とは、品種ごとに生産量をまとめて複数の製品を交互に生産する形態。
備考としては、
断続生産 (intermittent production) ともいい、個別生産と連続生産の中間的な生産形態。
です。
ロット生産方式の特徴
「ロット生産方式」には次のような特徴があります。
- ロット(ある数量のかたまり)ごとに生産します。
「ロット単位」で工程間を移動してゆきます。
- 「ロット生産」は「多品種少量生産」が多くなっています。
ロット別にいろいろな製品が生産されます。
- 「ロット別」に「進捗管理」や「実績」を管理します。
- 機械は、加工の「工程順」にまとめらています。
- 作業者は、「多工程持ちの能力」を持っています。
- 「品種」または「品種のグループ」で経済的な「ロットサイズ」を決めています。
- 「ロット生産」は、「見込み生産」も「受注生産」もあります。
- 製品は、「生産者仕様」のものと「顧客仕様」のものがあります。
- 製品や部品の「在庫」を、ある程度持っています。
- 「品質管理」は「ロット別」に管理します。
- 「リードタイム」・「ロットサイズ」を決める必要があります。
製品の、仕掛在庫を最小にするためにに、前もって生産するための「リードタイム」「ロットサイズ」を決定する必要があります。
- 余力管理を把握することが重要です。
工程の設備の遊休時間を最小にするために、需要や受注に対して、生産能力の余力を把握する必要があります。
- 投入順序を決めることが重要です。
製品(品種)別の生産計画の総段取り時間を最小にするために、投入順序やロットサイズを決定する必要があります。
などです。
ロット生産方式が向いている製品
どういう製品が「ロット生産方式」に向いているか説明します。
- 需要量(受注)が少ない製品
製品(品種)ごとに専用ラインを設置しても、採算があわない場合です。
- 段取り替えが可能な製品
段取り替えをすることにより、同一の設備で、多種類の製品(品種)の生産が可能である場合です。
- 加工手順が異なる製品
製品(品種)によって、異なる加工手順を取るものがある場合です。
- 仕掛品や完成品在庫を持てる製品
需要量(受注)と生産能力によって、仕掛品在庫や完成品在庫を持つことができる場合です。
などです。
ロット生産方式のメリット
「ロット生産方式」のメリットです。
- 多品種少量生産をおこなうことが出来ます。
段取り替えをおこなうことで多くの製品を生産することが出来ます。
- 売上を上げることが出来ます。
お客の要求にあったそれぞれの製品を生産することにより売り上げを上げることが出来ます。
- 在庫低減が出来る。
顧客の受注量に応じた「ロットサイズ」で、ロット別に生産することが出来れば、完成品の作りすぎによる余分な在庫を持つことが少なくなります。
- 不良品の影響が少ない
ロット別に生産しますので、不良品が出ても、影響が少ないです。
不良も、そのロットのみになります。
- 受注の変更などに生産管理がやりやすい
納期の変更などがあっても、ロット別に対策を打つことが出来ます。
などです。
ロット生産方式のデメリット
「ロット生産方式」のデメリットです。
- 生産効率が下がります。
多くの製品を生産するため、工程での段取り替えが発生します。
生産効率が下がります。製造原価が上がります。
- 多能工が必要になります。
多品種少量生産が多くなりますので、一人のカバーする範囲(工程や作業)が広くなります。
多能工が必要になります。
- 工程の生産能力の把握が難しい
製品別に工程で生産する時間が異なります。
多品種少量生産になると、工程別の生産能力の把握や調整が難しくなります。
生産計画や、工程別のスケジュール管理が難しくなります。
などです。
単一工程におけるロット生産の計画作成方法
「ロット生産方式」では、多くの製品が、同じ行程で生産されます。
「製品別」に、「ロットサイズ」や「投入順序」および「リードタイム」を決定する必要があります。
そして、需要量(受注)の納期と生産能力を考えながら、「仕掛在庫」「工程の遊休時間」「段取り回数」「総費用」などを最適化する「生産計画」を作成する必要があります。
「ライン生産方式」「個別生産方式」は次のページをご覧ください。
●参考ページ
●「生産方式」の関連ページです。
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