セル生産方式
「セル生産方式」について説明します。
セル生産方式とは
セル生産方式とは、1人または数人で、生産ラインをU字やL字に設置して、ひとつの製品を完成まで組み立てるやり方です。
ライン生産方式は、作業者全員で1つの製品を分業で完成させますが、セル生産方式は、最初から最後まで1人(または数人)の作業者で、製品を完成させます。
セル生産方式の特徴
「セル生産方式」には次のような特徴があります。
- 1人の作業者が複数の業務をおこないます。(屋台方式)
屋台のように、1人の人が、全部の作業をおこないます。
最初から最後の完成品までの生産をおこないます。
1人の場合は、U字ラインが多いです。
- 組み立て作業が多い
例えば、ネット注文などでパソコンなどを注文する場合、個別に仕様が異なります。
1人の作業者が、注文内容に応じて、パソコンを組み立ててゆきます。
それぞれの部品は、見込み生産で準備されています。
- 作業者がライン上を動く
ライン生産方式は、所定の位置に作業者がいて、その前をベルトコンベヤーなどのラインで製品が流れていきますが、セル生産方式は、作業者が動いてライン上で作業をおこないます。
- ラインは、U字やⅬ字になっています。
ラインはU字型やⅬ字型になっていて、それぞれに機械や治工具、検査器具などが準備されています。
- ライン編成が柔軟
製品変更や生産計画の変更などがあっても柔軟にセルのラインを変更して対応することが出来ます。
などです。
セル生産方式に向いている製品
どういう製品が「セル生産方式」に向いているか説明します。
- 組み立て作業の製品が多い
あらかじめ準備された部品などを組み立ててゆきます。
- 多品種少量生産の製品
顧客ごとに、仕様が異なる製品に向いています。
- 軽作業が多い
作業者が、作業できる軽作業が多いです。
などです。
セル生産方式のメリット
「セル生産方式」のメリットです。
- 多品種少量生産に向いています。
仕様の異なる製品でも、それぞれのセルで生産することが出来ます。
- 仕掛在庫が削減できます。
1人や数人で、最初の組み立てから完成品まで作ります。
仕掛在庫はありません。
- 生産(製造)のリードタイムが短くなります。
最初から最後まで作業しますので、生産(製造)のリードタイムは短くなります。
- ライン作業の、ラインバランスのロスが少なくなり生産性が上がります。
ライン生産方式のように、作業者や工程ごとのラインバランスを考える必要がなくなります。
- 少ない作業者で生産出来る
ライン生産方式より、少ない作業者で生産出来ます。
- 残業、休日出勤に柔軟に対応できます。
残業や、休日出勤を依頼されても、1人でおこなうことが出来ますので、他の人のことを考える必要はありません。
- 生産計画の変更に迅速に対応出来ます。
柔軟に、レイアウトの変更などをおこなうことにより、生産計画の変更に迅速に対応することが出来ます。
- モチベーションがあがります。
最初から最後まで完成させますので、仕事に対してモチベーションが上がります。
製品に対しての愛着も増加します。
などです。
セル生産方式のデメリット
「セル生産方式」のデメリットです。
- 組み立て以外の製品は難しい。
化学などのライン生産(連続生産)やロット生産の製品などは、セル生産方式は、難しいです。
- 作業者が習熟するまでに時間がかかる。
1人の人が、最初から最後までおこないますので、全工程の作業をマスターする必要があります。
時間がかかります。
- 治工具、検査器具の数が増えます。
1人で、最初から最後まで作業をしますので、使用する治工具や機械、検査器具などは、人数分必要になります。
- 作業者の技量やモチベーションに大きく左右される
作業者によって、生産する数量にばらつきがでます。
などです。
●「生産方式」の関連ページです。
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