受注生産とは


■今回は、「受注生産」について説明します。

その前に、まず、製造業の「受注生産」と「見込み生産」について説明します。

皆さんの会社の製品は「受注生産」ですか?
「見込み生産」ですか?

「受注生産」は、お客様からの注文を受けてから生産して出荷する方法ですね。

「見込み生産」は、あらかじめ見込みで生産しておいて、お客様から注文が入ってから出荷するやり方です。

可能であれば絶対、「受注生産」にすべきです。

注文が入ってから製造、出荷するので、製品や部品、原材料の余剰在庫がなくなります。
利益が上がります。

■でも、それが難しいのです。
「それが出来たら苦労はしないよ」と皆さん言われます。

製造する製品によっては、必ず「受注生産」になるものがあります。
船の建造やそのお客様のために製造する世界に1つしかない製品ですね。

これらの「個別生産」は別として、最近は、両方の区別がなくなっています。

でも、それぞれの違いは理解しておく必要があります。

まず、「受注生産」についてです。


■では、なぜ「受注生産」が難しいのでしょうか?

大きくわけて以下の3つのケースで考えたいと思います。

  1. 「受注生産」と納期
  2. 「受注生産」と製品の種類
  3. 「受注生産」と製品の価格
です。


■(1)「受注生産」と納期

まず。お客様の納期について考える必要があります。

「受注生産」で、まだ製造もしてないなのに、明日、出荷して欲しいと言われたら困りますね。

そのとき考えるのが、

「お客様のリードタイム」と「製造のリードタイム」の問題

です。

まず、「お客様のリードタイムと「製造のリードタイム」の問題」について説明します。

「お客様のリードタイム」とは、お客様から注文を頂いた日から納期日までの期間です。

「製造のリードタイム」は、部品、原材料を仕入れて製造して出荷するまでの期間です。

例えば、
「お客様からのリードタイム」が、1ヶ月(30日)だったとしましょう。

「製造のリードタイム」は、2週間(14日)かかるとします。

この場合は、受注生産できますね。???

ここで、もうひとつ考えないといけないことがあります。

そうですね。「生産計画」の「サイクルタイム」です。

「生産計画」は、「毎月」ですか?「毎週」ですか?「毎日」ですか?

「毎月」ですと「生産計画」の「サイクルタイム」は、平均30日になりますので

30日(計画サイクルタイム)+14日(製造のリードタイム)=44日

になって、「受注生産」できなくなります。

「毎週」ですと、「生産計画」のサイクルタイムは平均7日ですので

7日+14日=21日

になり、「受注生産」が可能になります。

この「生産計画」作成のサイクル(何日ごとに、生産計画を作るか)が重要になります。

工場の現場が、「カンバン方式」などをおこなって「製造のリードタイム」を改善したときは、「生産計画のサイクルタイム」も改善するようにした方が良いと思います。


■(2)「受注生産」と製品の種類

次に考えるのが、製品の種類です。

皆さんの会社の製品は、「個別製品」ですか「汎用製品」ですか?

「個別製品」とは、お客様の仕様に合わせた世界に一つしかない製品です。

「汎用製品」とは、いろいろなお客様に売ることのできる製品です。
もちろん、お客様も同じ製品を他社から購入することができます。

「個別製品」は、ほとんど受注生産ですね。
もし、受注生産になっていない場合は、その方向に持っていくべきですね。

例えば、
  • もっと長いリードタイムの注文を頂くとか、
  • 内示情報を頂くとか、
  • お客様と交渉される

と良いと思います。

「汎用製品」は、大変ですね。
お客様も強気で無理なリードタイム(短納期)を要求してきます。

よく言われるのは

「この製品は、汎用品だろ。他の会社にも売れるからいいじゃないか。
できないんだったら、他者から買うから」

です。

ここでは、いろいろな仕組みが必要になります。
例えば、
  • 同じ商品なので、他社と融通するとか、
  • お客様から「内示情報」を頂くとか
などです。

ここで、反対に短納期を利用した、こういう事例もあります。

私の知っている製造業の会社では、お客様から、朝、注文が入ると、夕方出荷することができる体制を作りました。
この短納期の注文は、通常の注文より販売の価格を高く設定しています。
短納期がサポートできる体制ができると、他社と差別化ができお客様に売り込むことができます。
こういうやり方もあります。


■(3)「受注生産」と価格

最後に「価格」について考える必要があります。

皆さんの会社の製品の「価格」は高いですか?安いですか?
この「価格」は、「製造原価」のことです。

「製造原価」の高い製品は、「受注生産」にする方向に持って行くべきです。

もし、余剰在庫が発生すると、すぐ利益を圧迫してしまいます。

「製造原価」の安い製品は、「見込み生産」も可能だと思います。

皆さんが定期的に、在庫評価を行うときは、注意してみてください。


■(4)「受注生産」の特徴

「受注生産」の特徴です。

  • お客様からの注文をもらってから生産出荷をおこないます。

  • 多品種少量生産が多い。

  • お客様の仕様の製品が多い。

  • 部品、原材料は、受注による生産計画に従って調達される。

  • 在庫が少ない。

などです。


市場での競争が激しくなって製品の寿命がどんどん短くなっています。
そのため、開発して市場に早く出荷、販売する必要がでてきています。

お客様の特別仕様の製品についても、注文がなくても見込みで生産して出荷する必要がでてきます。

市場が立ち上がるとお客様の注文に応じて「受注生産」ができるようになります。

特に電気製品、半導体などです。
製品の寿命が非常に短くなっています。

「見込み生産」をやりながら「受注生産」をやっていける、「生産管理システム」や現場の改善などが必要になります。






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