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納期とは


■納期とは、何でしょうか?

皆さんは、納期について考えたことがありますか?


お客様から見た納期


お客様からの注文の、納期はいくつあるでしょうか?

実は、2つあります。

  1. ひとつは、要求納期(Customer Request Date)です。
    お客様からの要求された納期です。
  2. もうひとつは、約束納期(Customer Commit Date)です。
    お客様への出荷できると約束した納期です。

では、質問です。

「お客様への納期の達成率(遵守率)が悪かった」と言う場合の納期はどちらでしょう?

難しいですね。

ある人は、「要求納期に対するものだ。」と言います。

ある人は、「約束納期に対するものだ。」と言います。

どちらも正しいのです。

どちらの達成率も必要です。

でも、それぞれの達成率が悪い場合の原因、対策は、異なります。

■約束納期は、生産出荷する方が、この納期だと守れると言うことでコミット(約束)した納期ですね。

これは、会社が約束したものですから絶対に守る義務があります。
約束納期に対しては、守れない原因は、社内の体制の問題にあります。

アメリカでは、この約束納期が守れない場合、賠償などが発生する場合があります。

お客様は、この約束納期に基づいて自社の工程の準備を行っている場合もあります。
約束納期を守るのは絶対に必要です。

守れない原因の例としては、

  • 約束納期の設定が間違っていた。
  • 原材料、部品不足
  • 生産能力の不足
  • 人員の不足
  • 工程の品質問題

などがあります。

■要求納期は、お客様から要求された納期ですね。

無理な注文もあるかもしれません。

今日、注文を入れて、在庫もなく、今から生産しても10日先しか出荷できない場合、
明日出荷してくれなんて出来ませんよね。

達成率が悪い場合、
原因は、お客様によるものと、社内の悪さによるものがあります。

お客様の原因としては、

  • 製造のリードタイム上、間に合わない無理な注文である
  • 数量の変更(急激な増加)
  • 注文の前倒し(要求納期の前倒し)

などがあります。

社内の原因は、上の約束納期を守れない原因と同じです。

■どうしたらよいでしょうか?

■別の視点で考えてみましょう
 こういう場合は、あなたなら、どうしますか?

例えば、「ある仕事を明日までにやってくれ」と頼まれた場合、

  1. 明日までには、出来ないので出来る日を答える。
  2. 出来ないけどオーケーする。

皆さんは、2ですか?

そうですね。1ですね。
もし、2でオーケーして、できないとき、信用を失って次から仕事が来なくなります。
取引がなくなります。

■お客様は、最終的には要求納期を、守ることを要求してきます。

■では、どのようにしたら良いでしょうか?

  1. まず、企業の、生産能力、原材料、部品、製造などを考えて約束納期を決めることです。
    緊急品などを考えて余裕を持たせたほうがよい場合もあります。 
  2. 次に、約束納期を絶対に守ることです。 
  3. 最後に、約束納期を要求納期に近づけることです。
この「3」番目の対策には

  • 注文のリードタイム(受注日から要求納期日まで)が製造のサイクルより物理的に短い場合は、見込み生産などを行います。 (内示情報などを活用します。)
  • 在庫に対して注文の引き当ての変更(ペギング)などを行います。


納期(日付)の種類(納期管理のために)


■納期には、どのような種類があるのでしょうか?
お客様との納期だけではなく、社内にも納期のような日付があります。
この納期を知らないと、納期管理をおこなうことはできません。


■生産計画を立てる場合に、納期を含むいろいろ日付について知っておく必要があります。
生産管理にはいろいろな日付があります。
 
一般的に以下のようにいろいろな日付の種類があります。


日付の種類 説明
(1)顧客の要求納期日
(Customer Request Date)
お客様の品物がお客様の所に到着してほしい日付です。
お客様の要求納期に対する納期達成率はこのデータを使用します。
これは、販売のデータから抽出します。
(2)顧客の要求納期日
(工場出荷ベース・Customer Request Ship Date)
お客様の納期日から、工場からお客様までの輸送日数を前倒しした日付です。
工場はこの日付を守るように出荷してゆきます。
工場の要求納期に対する納期達成率はこのデータを使用します。
日本ですと当日出荷して当日到着することができますが外国ではこの日付が必要になります。
(3)顧客の出荷の余裕日
(Shipping Windows)
ジャストインタイムでの出荷ですと納期日が出荷の日付になりますが、一般的には、お客様でも納期の何日前からだと出荷してもよいという余裕日があります。
これが入荷(出荷)の余裕日(Shipping Window)です。
出荷する側もこの日付があるために出荷計画のバランスを一定にすることができます。
これは出荷管理システムで管理します。
(4)工場から出荷するときの約束納期日
(Estimate Shipping Date)
生産能力などの制限がある場合は、お客様の要求納期に対して工場からの出荷できる約束納期があります。
工場の約束納期に対する納期達成率はこのデータを使用します。
(5)お客への到着するときの約束納期日
(Estimate Doc Date)
お客様への約束納期日です。
お客に到着する日付です。
お客様での約束納期に対する納期達成率はこのデータを使用します。
(6)工場からの出荷可能日
(Estimate Possible Ship Date)
製品があればここから出荷できる日付です。
(2)または(4)から(3)を引いた日付です。
(7)基準日
(Base Date)
生産計画を行う場合の基準になる日付です。
要求納期日を使用するか約束納期を使用するかを決めます。
(8)最遅可能スタート日
(Latest Possible Start Date)
生産計画を立てるときに注文や需要のデータの基準日からその製品の製造のリードタイムを前倒しした日付です。
ここまでには絶対スタートしないといけない日付です。
(9)最早可能スタート日
(Earliest Possible Start Date)
最遅可能スタート日からさらに生産計画の余裕日を前倒しした日付です。
この余裕日が在庫レベルになります。
ここからスタートできる日付です。
生産能力に制限がある場合は、この余裕日の設定が必要になります。
(10)生産計画スタート日
(Start Plan Date)
生産計画を立てたときの実際のスタート日です。
生産能力の制限などで(8)と異なってきます。
製造からの出荷の計画日を作成する場合もあります。
(11)実際スタート日
(Actual Start Date)
製造部が実際にロットを投入した日付です。
(12)工場からの出荷予定日 在庫が工場から出荷するときの出荷予定日です。
(13)配送センターからお客様への最終出荷予定日
(Avail Date)
生産管理システムで計算しますが在庫や生産計画中のものがいつ出荷できるかの出荷予定日です。
基準日(要求納期日や約束納期日)とこの出荷予定日を比較することにより納期のフォローアップが出来るようになります。
(14)配送センターからお客様への実際出荷日
(Actual Shipped Date)
実際にお客様へ出荷した日付です。

まだ、いろいろあると思いますが大事なもの所をリストしています。


納期のフォローアップについて


■今回は、納期のフォローアップについてです。

■お客様と生産管理の担当者との会話です。

お客様:「あの注文の納期変えて欲しいんだけど。」
お客様:「あの注文の製品、今どうなっている?」

担当者:「えー 少々お待ちください。今、調べますので」

これって、結構大変ですよね。
どの注文がどこにあるのか。汎用製品(ひとつの製品に対して多くのお客様がある場合)だと、特に大変だと思います。
担当の人が走り回ったり残業が増えたりします。

出荷できればよいですが、出荷できない場合お客様の工程(ライン)がとまってしまいます。

現在、お客様からの要求が厳しくなりその納期のフォローアップが大変になっています。
お客様も在庫を持たなくなり、1日に何回も納入指示があります。

■どのようにしたらよいでしょうか?

以下は、お客様の質問や納期督促に対してフォローアップしていくかの一例を示しています。
 
お客様からはいろんな要求が来ます。
例えば

  1. 要求納期より前に出荷する依頼
  2. 現在、お客様の注文がどのようになっているかの確認
  3. 新しい注文を入れたらいつごろ出荷出来るかの確認
  4. 納期遅れが発生しそうな注文
  5. 一度付けた約束納期を要求納期に近づけて欲しい依頼

など、などです。

生産管理の生産計画や、調達計画は、製品や部品・原材料などに対してですがお客様からの質問や要求は一般的にどの製品のどの注文に対しての質問や要求が来ます。

生産管理システムとしては、そこの部分、注文別の状況がが把握できなければお客様の要求を満足することは難しいと思います。

以下はそれぞれの要求に対する納期のフォローのやり方の一例です。


要求項目 対策例
(1)要求納期より前に出荷する依頼 その注文がどこの在庫に引き当てされているか、いつ頃出荷できるかが把握できれば回答出来ます。
もし製造工程にあればそのロットを製造部に頼んで引っ張ることも出来ます。
これには、注文と在庫がソフトペギング(引き当て)されたレポートが必要になります。
(2)現在、お客様の注文がどのようになっているかの確認 これも、その注文がどこの在庫に引き当てされているかのレポートで把握できます。
(3)新しい注文を入れたらいつごろ出荷出来るかの確認 実際は、納期を設定するサブシステムを導入しないと難しいですが、例えばその製品のデマンドとサプライのペギング(引き当て)された状況を見て回答することは可能です。
例えば、その製品に余剰在庫があればその製品の出荷する予定日で回答できます。
もし、ほかの注文に在庫が引き当てられていればその注文の納期をみて差し替えられればお客様の要求を満足できるかもしれません。
でもこれは、人間が判断して決定しなければいけませんので熟練が必要です。
(4)納期遅れが発生しそうな注文 定期的にその注文の納期と引き当てられた在庫や計画をみて判断します。
出荷の予定日があれば、納期との比較により判断することも出来ます。
(5)一回付けた約束納期を要求納期に近づけて欲しい依頼 これも(3)と同じです。


納期のフォローアップには、それをサポートするレポートや情報が必要になります。
そのデータをいかに生産管理システムでサポートできるかが重要になります。




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