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生産計画とは


生産計画とは何でしょうか?


生産計画とは


「生産管理」の大きな機能としては「生産計画の作成」があります。
この生産計画を基に、その他の計画、原材料や部品の材料計画(調達計画)などを作成してゆきます。
生産計画の説明です。

生産計画とは、日本工業規格(JIS)では、次のように定義されています。

「生産量と生産時期に関する計画」

です。

備考としては、次のように定義されています。

「大日程計画、中日程計画、小日程計画に分けられる。
大日程計画は、日程に関しマスターとなる長期の生産計画であり、月別の生産量を決める。
中日程計画は、その計画に基づき部門別の生産予定を決める。
小日程計画は、日々の作業予定を決める」

です。

つまり、生産計画とは、製造原価が最小になるように、何を、どれだけ、いつどれだけの人数で、どのような生産設備を用いて生産するかを決めることです。

主に、次の事を決めます。

  • 生産すべき製品の種類、数量、時期を決めます。

  • 製品に必要な、原材料、部品の決定と指示を行います。

  • 製造に投入してから、出荷までの日程の決定を行います。


日本工業規格(JIS)の計画は、上のように期間別に分かれています。

大日程計画、中日程計画、小日程計画については、別ページで、説明します。


生産計画の難しさ


生産管理をおこなう場合、絶対に必要になるのが「生産計画」です。

「生産計画」がなかったら、製造部門や資材の調達部門は、自分勝手に生産したり購買したりします。

その結果、在庫の山になったり品切れをおこしたりします。

「生産計画」は、絶対に必要ですね。

でも、「生産計画」をうまく作るにはかなり難しいのです。


■生産計画は、なぜ難しいのでしょうか?

■「生産計画」には、以下のようないろいろな問題があります。

  1. 市場の動向をいかに反映するか。
    注文の状況はどうなるのか? 

  2. 納期の督促や変更に対応できるのか。

  3. 販売計画をうまく反映できるか?
    在庫の計画はどうするのか?

  4. 生産の負荷(生産能力のバランス)をいかにうまく平均にできるか。

  5. 人員計画との関係はうまくいっているのか。

  6. 原価計画との関係をうまくできるか。

  7. 資材調達がうまくできるか。

  8. 品質トラブルが起こった場合の対処はどうするか。

などです。

これらのいろいろな問題を考えて、うまく「生産計画」をたてる必要があります。


具体的な生産計画の流れ


■生産計画は、製品の種類や業種によってかなり異なっています。

ここでは、一般的な「生産計画の流れ」を説明したいと思います。

  1. まず、「年間の販売計画」の作成です。
    月別の年間の販売計画です。

  2. 「年間の生産計画」です。
    月別の年間の生産計画です。
    これがベースになります。

  3. 「3ヶ月の生産計画」です。
    月別の人員計画、生産能力の計画、部品、原材料の計画を作成します。
    部品、原材料の情報は業者へ連絡されます。

  4. 「月間・日別(週別)生産計画」です。
    製品の種類によって、月間・日別の生産計画や週別の生産計画を作成します。

    例えば
    自動車や、電気製品などの組み立て生産では月間日別で部品などのロット生産は、
    週別の生産計画などです。

  5. 「週間別・日別(週別)生産計画」です。
    製品の種類によって、週間日別の生産計画や週別の生産計画を作成します。

    この時点で販売情報を取り込みます。

  6. 「日別の生産計画」です。
    販売情報により日別の生産計画を作成します。
    ほぼ確定です。

  7. 「投入順序計画」です。
    その日の投入する順番を計画します。

業種によって、違っている場合もありますが一般的な流れです。

一番、大変な作業は、計画が変更されたときにいかに対応していくかです。


製品の生産計画と原材料/部品の調達計画の立て方


製品の生産計画と原材料/部品の調達計画の立て方について説明します。

■製品の「生産計画」や、原材料/部品の「調達計画」は、一般的に以下のように作成します。
業種によっては、一部異なっています。

■(1)生産計画・調達計画の作成ステップ
 
「生産管理システム」は以下の順番に製品の「生産計画」や、原材料/部品の「調達計画」を作成します。

  1. 需要・受注データの取り込みます。

  2. 完成品在庫・仕掛り在庫・原材料部品在庫データの取り込みます。

  3. 生産能力を取り込みます。

  4. 需要・受注データと在庫データで製品の正味必要数量を計算します。

  5. 生産能力に合わせこんだ生産計画の作成します。

  6. 部品展開をして、原材料/部品の必要数量を計算します。

  7. 原材料/部品の必要数量と原材料/部品の在庫から原材料/部品の正味必要数量を計算します。

  8. 原材料/部品の調達計画を作成します。

  9. 生産計画、調達計画、生産能力、注文、納期情報などの帳票をを作成します。

「生産管理のシステム」によっては、
製品の正味必要数量を計算する場合、注文別ではなく、製品別に週別に丸めて計算する場合があります。これが、「MRP」と呼ばれているやり方です。
 

■(2)生産計画のやり方

生産計画のやり方は、大きく2つあります。

  1. 押し出し方式
  2. 引っ張り方式(プル方式/ジャストインタイム方式/サプライチェーン)

(2-1)押し出し方式

MRPやMRP2が押し出し方式です。
上記の(1)で説明したやり方です。
生産のリードタイムが長い業種やロットでの生産、加工に適しています。
納期から製造のリードタイムを前倒して「生産計画」を作ります。
「週別の生産計画」が多くみられます。

(2-2)引っ張り方式

「ジャストインタイム方式」、「サプライチェンチェーン」、「プル方式」などと呼んでいます。
トヨタのカンバン方式や、デルコンピュータのやり方です。
足らない分を前の工程に要求してゆきます。
部品を使って製品を組み立てていく業種に適しています。



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